【自閉症】の子供に多く見られる「睡眠障害」の原因と対策

   

自閉症の子供の睡眠障害

漫画:moroさん

自閉症は先天性の脳疾患であり、

・言葉の発達が遅い
・こだわりが強い
・ある特定の感覚過敏を示す

といった特徴があります。
その他にも社会生活を送る上でスムーズにいかないことがたくさんあり、多くのお母さんを悩ませています。

中でもなかなか寝つかないタイプの睡眠障害に、辛い思いをされているお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
日中子育てにおわれているうえに、夜もなかなか寝ない子供に付き合うのは、本当にしんどいことです。

睡眠障害はどんな子供にも起こり得ることですが、とりわけ自閉症などの発達障害の子供に多くみられる症状です。
今回は、そんな睡眠障害の原因と対策についてをお話ししたいと思います。

関連記事:【自閉症】の赤ちゃんの特徴的な症状とは?もし自閉症と診断されたら?

■ 睡眠障害とは

睡眠障害とは、眠りに関する何らかの問題を抱えていることをいいます。
子供の発達を促す成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるといわれており、睡眠は子供が成長するうえで重要な役割を担っています。
赤ちゃんの頃は頻繁に寝起きしていても、一般的に2・3歳頃までには夜にたっぷり眠れるようになるとされています。
ですが、その頃になっても寝つきが悪かったりすっきり眠れていないようなら、何か対策を考えることをおすすめします。

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■ 睡眠障害のパターン

睡眠障害というと不眠のような眠れない状態をイメージしがちですが、それだけではありません。
まずは、自閉症の子供に多く見られる睡眠障害を、パターン別にご説明していきます。

① うまく眠れない

寝つきが悪い、夜に何度も起きてしまう、寝ついたものの異様に早く目覚めてしまう、といった状態です。
眠れない不安からぐずぐずが止まなかったり、夜中に突然起きてパニックになる『夜驚症』もたびたび引き起こします。
また、睡眠量が足りないので日中もイライラとしがちで、落ち着かなくなる傾向があります。

関連記事:【自閉症児の睡眠障害】2歳の息子が眠らない!夜中に突然泣き叫び大パニック!

② 睡眠のリズムが安定しない

昼に起きて夜に寝るというリズムを確立できずに、昼に眠りがちで夜に起きてしまう状態です。
精神的に不安定になるため、落ち着かない行動が目立つようになります。

③ 眠り過ぎる

過眠症と呼ばれる症状で、夜充分に寝ているはずなのに、昼もひどく眠そうな状態をさします。
一見眠っているようでも、何らかの原因で夜にしっかり眠れていない可能性が考えられます。

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■ 睡眠障害の原因

自閉症の子供に睡眠障害が見られるのには、もちろん理由があります。
今度は、その理由を考えていきたいと思います。

① 音や光

自閉症の子供は、音や光や感触など、何らかの感覚に過敏である場合が多いとされています。
したがって、時計の秒針や小さな物音、窓から入り込む車のヘッドライトの光、毛布やシーツの手触りが気になって眠れないケースが考えられます。

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② 不安や恐怖心

自閉症の子供は、他の子供よりも不安が強いとされています。
ちょっとした生活スタイルや部屋の変化が気になって、不安で眠れないのかもしれません。

③ 生活リズムが確立しにくい

「昼は起きて、夜は眠らなければいけない」という暗黙のルールは、成長するにつれ自然と身につくものです。
ですが、自閉症の子供はルールを受け入れるのが苦手なため、生活のリズムが不安定になっている可能性も考えられます。

④ 呼吸がしづらい

自閉症の子供だけに起こることではありませんが、鼻詰まりや軌道が狭くなる『口蓋扁桃』という病気が原因で、呼吸がしづらくなっているケースもあります。
呼吸がうまく出来ていないと眠りも浅くなり、一見眠っているようでも充分な睡眠がとれていないことが考えられるのです。

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■ 睡眠障害の対策

それでは、自閉症の子供の睡眠障害にはどう向き合ったらいいかをご紹介します。

① 生活リズムを整える

まずは、きっちりと生活のリズムを確立することから始めましょう。
寝る時間は20時、起きる時間は7時というように定め、よほどのことがない限りは時間を厳守しましょう。
昼はたっぷり体を動かし、お昼寝はさせないようにします。
たとえお昼寝してしまったとしても、30分から1時間で起こすようにしてください。
ぐずって大変だとは思いますが、生活リズムの改善のためにも心がけるようにしましょう。

② リラックスして寝かしつける

寝かしつける1時間前には、テレビやゲームなどの脳に刺激の強いものはやめさせるようにしましょう。
お菓子やジュースなども、脳が興奮してしまう要因になりますので控えます。
布団に入ってから10分は、絵本を読んだり今日あったことをお母さんと話すなどして、毎日決まった眠りの儀式を作るようにしてください。
これから眠るんだ、という意識を心身ともに持たせることが大切です。

③ 眠りの妨げとなっている原因を取り除く

時計の音が気にならないように秒針の鳴らないものに代える、外からの光が入らないようなカーテンにする、など子供が気になっていること見つけてあらかじめ防止
します。
音や光や感触だけでなく、おもちゃの位置や窓やドアの開き具合など、自閉症の子供を惑わす要因はいくらでもあります。
うまく話せなかったり言葉が見つからなかったりして、自分ではうまくお母さんに伝えられないのかもしれません。
様子をよく観察し、いろいろな観点から原因を見つけ出してあげましょう。

④ 医師に相談する

あらゆる手段を試してもうまく眠ることが出来ず、親子ともに疲れ切ってしまうような状況なら、病院に受診することも検討してみてください。
医学的な側面からのアドバイスを受けることが出来ますし、場合によっては不安や興奮をおさえる薬が処方されます。
薬には抵抗があるかもしれませんが、睡眠障害が良くなった症例もありますので、医師のアドバイスもとに使用することも検討してみましょう。

関連記事:【自閉症】の赤ちゃんの見分け方、対処の仕方、育て方

自閉症の子供が眠れないのには、必ず原因があります。
昼も夜も育児に悩んでいる状況だと、子供が眠れない原因など落ち着いて考えられないかもしれません。
とにかく寝て欲しい、と夜中に泣き叫ぶ我が子の声に耳を塞ぎたくなるのではないでしょうか。

家族に頼れるなら、たまには子供のことをまかせて、お母さんがゆっくり寝る時間を作ってください。

頼れない状況なら、一度市の育児相談や専門医などに相談しましょう。

落ち着いて対策を練れば、驚くほどに状況がよくなることもあります。
自閉症の育児は、なかなかうまくはいかないものです。
くれぐれも、お母さんが一人で全てを抱え込まないように心がけてください。

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