きっと誰と結婚しても危機はやってきたけれど…他人同士である私たちの教訓。【アホ夫婦が産後うつ・産後クライシスから回復するまで㉚】 by たんこ

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◆今までのお話

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こうして、少しずつ、少しずつ平穏な日常を取り戻していった私。
決して決定的な出来事や、自分や夫を叩き直すような努力はありませんでした。
でも、そばにはいつも、穏やかな夫がいました。

 

 

この優しさは、今まで私を苦しめてきたすべてのトラブルの元凶でもありました。
明るく、お調子者で、困っている人を見逃せない…。
でも、その優しさに救われて、子どもが生まれ、私が生きているのは事実。

“この優しさがなかったら、今はない”

夫は確かに、産後という場面において優先順位を間違えたのは事実でした。
死に物狂いで神経を張り巡らせる私をひとりにして、日付が変わるまで飲み会に行き続けたし、職場の女性たちと遊びにいった。
あの頃は、「23時55分に玄関を開けたから日付は跨いでいない」なんて言い訳をしていた夫だったのです。
そういう問題じゃねーよ!!と、今でも新鮮な怒りをぶつけることが出来ます。
これらのことはたぶん、一生根に持ち続けます。
まさに“産前産後の恨みは一生もの”

 

でも、私も完璧ではありません。
夫が追い詰められている時、自分のことでいっぱいいっぱいで
察することが出来なかったかもしれない。
優しくしてほしい時にきつく当たってしまったかもしれない。
子どものことを優先しすぎて、夫の傷に気付けなかったかもしれない。

私目線で語ればアホ夫でも、
夫の目線だったら、私だってアホ妻だったかもしれません。

噛み合わなくて当たり前。
夫は他人だし、完璧人間じゃない。
私だって完璧じゃないし、他人。血のつながりすらない。
だけど、一緒にいることを選んだ。

しいたけの言っていた“歯車”が、噛み合ったのを感じたのはこの時やっとでした。
別々の生き物である私たちが、子どもがひとり増えるごとに少しずつ形を変えていく私たちが
うまく噛み合い、動きはじめた。

これは夫だけの、私だけの努力ではどうにもなりません。
夫婦がお互いを見て、話し合い、信頼し合うことで
やっと回り始める歯車でした。

 

 

他人同士の夫婦です。
きっと衝突することは、出会って10年になるこれからも変わらずあり続けると思います。

でも、このとてつもない産後うつ・産後クライシスを経験した私たちは
それを教訓にして、苛立つ前に“ちょっと待てよ…?”と立ち止まり、
相手が何を思っているか考えることができます。

子どもを巻き込んでしまう前に、傷つけてしまう前に、それを回避するために
努力をすることができます。

 

幸いにも私は、この漫画を描くことで
自分の行動と感情に向き合うことが出来ました。
膿を出すようなこの作業は、時に苦しくもありましたが…
“もう二度とこんなことをしてはいけない”と、頭でも目でも指先でも、実感することができました。

 

 

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