ヤンキーママからセレブママ‼︎息子の留学を通して知った人種差別① by 鈴木セリーナ

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エージェント「ご子息が学校のWifiを改造しまして。サスペンション=休学、停学という記載のある文書が来ておりますので、イギリスへ行ってください」

私「そうですか。これって、どのくらいの確率で退学になるんでしょうか?」

エージェント「現段階ではわかりかねますが、現地コーディネーターと話した限り、退学になる可能性が非常に高いので、次の学校探しも視野に入れてご両親に渡英いただいた方が良い、と連絡を受けております」

私「これまで御社から送り出した生徒が現地で問題を起こしたことってあります?」
エージェント「あります。日常茶飯事です。でもトムくんのように10歳のお子さんがサスペンションになるのは初めてです」

私「何歳くらいの子がどういう問題を起こすのが日常茶飯事なんでしょうか?」

 

 

エージェント「そうですね…申し上げづらいですが…15、16歳のお子さんの飲酒、マリファナですね。向こうはタバコよりも簡単にマリファナが手に入りますから…」

 

金持ちの子供、ろくなことしねえな。

私は田舎の金持ちが通う学校に行っていました。
「たしかに、お金持ちの子らのほうが公立に通う一般家庭の子供たちに比べて、親の見ていないところでやっていることがえげつないところはあったな」

なんて思い出しながら

“また問題起こしたのかよ…”と、悲しいやらムカつくやらの気持ちを胸に渡英。

タクシーで現地コーディネーターが学校まで案内してくれました。

移動中の約3時間、あまり私が落ち込むので、コーディネーターが心配していたことを覚えています。

彼女の気遣いの理由には“日本人は退学になることを知っていた”を含んでいたんだと、後になって気づきました。

学校に到着し、息子と合流。

異国の、まるで森の中のような場所で息子に会い、

 

 

“世界って広いな”などと思ったことを今でも覚えています。

 

学校に到着

 

学校では校長が待っている…と聞いていたので、すぐに案内されるかと思いきや、校長の秘書に「お茶でもいかがですか?」と勧められ、お茶とお菓子をいただき待つこと1時間半。

「ごめんごめーん」とも言わずに野面で現れた校長。

ようやく校長室に通され、コーディネーター、夫(元)、私で経緯の説明を受けました。

その間息子は部屋の外でヘッドマスター=寮母と遊びながら待ち、
経緯の説明が終わり、次は息子も入れて5人で話すことに。

息子が校長室に入室し、

校長「今回きみは悪いことをしてしまったよね」

息子「本当?“Wifiを改造してはいけない“という規則はないよ」

校長「そうだね。でもダメなものはダメなんだ。
お父さんとお母さんもこうしてイギリスまで来て大変だと思うんだよね」

息子「うん。」

校長「まだこの学校にいたい?」

息子「うん」

校長「でも、きみはもう、この学校にはいられないんだ」

泣き出す息子。

 

 

コーディネーターが息子にヨシヨシしながら、校長に
「他の子のご家族とは話していますか?」
と聞くと、

「当然話しています」

と答える校長。

コーディネーター「他の子の処分はどうなるんですか?」

校長「現在審議中です」

コーディネーター「トムくんが転校するにあたり、内申書については取り計らっていただけますか?」

校長「もちろんそのつもりです。トムくんが良き方向に向かえるよう最善を尽くします」

コーディネーターは
「そうですか。わかりました」とだけ言い、
校長の前で私たちに日本語で

「別の学校を探しましょう」
と言うのです。

 

続く

 

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プロフィール

鈴木セリーナ

大分県出身。田舎のお嬢様として育てられるが、

15歳でドロップアウト、17歳で妊娠、18歳で出産。

20歳で上京しチャンスをつかみ、ヤンキーママからセレブママへ。

最近になって息子がADHDであることを知った。

著書「元銀座No.1ホステスのおじさん取扱説明書」

 

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アラサー女性人気ナンバーワンウェブマガジンMINEにて「おじさん取り扱い講座」連載中。

作家、作詞、楽曲プロデュースを行うマルチクリエイティブプロデューサー

 

 

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