旦那から突然の告白電話◎私が鬼になったワケ⑤◎ by ホリー

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突然の告白に動揺する間もなく

電話の相手は「蚊」から

「明るい女性」へと切り替わった。

 

「ハロー、ダッダの奥様?

彼は今から緊急手術を受けるわー。

実家の方にもこっちから

電話を入れておくから安心して☆」

ちょっと待て。

こっちは一言も

発していないのに

一方的に電話を

切るのかね?(白目

 

頭の中で「?」が飛び交った。

新手のジョークとしか思えない

この一連の電話のやり取りに

私はただただ眉根を寄せた。

 

【数分後――】

そんな私の元に

義母であるグラニーから

電話が掛かって来た。

事故!

 

どうやらあの電話は

嘘ではなかったようだ(真顔

とりあえず

私はグラニーに疑問をぶつけてみた。

 

事故って何ですか?

交通事故とかですか?

「スティーブ曰く

バイク事故に遭ったらしいの!」

バイク事故?

「でも命に別状はないみたい!

今夜はスティーブが

付き添ってくれるみたいだから

彼に任せましょう!」

 

焦燥感と安堵感の狭間で

グラニーは早口に捲し立てた。

だがしかし、私の頭の中は

「バイク事故って何?」が

ぐるぐると駆け巡っていた。

 

そんな無言の私を気遣ってか

グラニーは

「大丈夫よ!

そんなに心配することないわ!

明日は私が病院に行って

様子を見てくるから!

あなたは安心してて!」

と、エールを送ってくれた(負い目

 

そんな温度差があるグラニーとの

通話を終えたあと私は思った。

 

あれ?

私、病院に行かなくていいのか?

いや、そもそも

どこの病院かも知らないし。

てか、病院を知ってたとて

この2人を連れて電車移動する自信はない。

ここはグラニーのお言葉に

全身で甘えてみよう。

 

・・・いやそれよりも

バイク事故って何?

 

【真相は…】

私は旦那と交わした会話を

頑張って思い返してみた。

もしや

レーサーに轢かれたのか?

 

とか一瞬思ったりもしたが

なんてことはない。

 

「バイクレースを見に行く」は

真実をちょっぴり絡めた嘘であり

本来の目的である

「バイクレースに出場」したならば

事故ったってだけの話だ(呆

 

私の中で「心配」よりも

「不信」と「呆気」が増幅した。

 

そんなくだらない嘘をついて

バイクレースに出る意味が全く分からない。

なぜって私は別に

止めやしないし咎めもしない。

・・・そうか

グラニーか(微笑

 

母親であるグラニーにバレるのが

怖かったのであろう旦那は

告げ口を恐れ私にも

こんなしょーもない嘘を付いたのだろう。

 

そう結論付けたら

益々モヤモヤが増して来た――

 

私の鬼度 ★★★★☆(4)

 

次回につづく

 

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◆今までのお話

私が鬼になったワケシリーズ

作者:ホリー先生

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