第17回 フェアリゴッドマザー 愛’s メソッド 15色の魔法 才能の芽を伸ばす鍵になる、グッドプレゼントとバッドプレゼント その1 〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です。〜 文:小鳥遊 樹(たかなし いつき) イラスト:air,(エア)

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【才能の芽を伸ばす鍵になるグッドプレゼントとバッドプレゼント】

あなたがお子さんの短所に対して、いつも贈っているのは、
愛情のグッドプレゼントでしょうか?感情のバッドプレゼントでしょうか?

 

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、無限の可能性を持っています。
最初から良い子と悪い子とか、
社会で役に立つ子とダメな子がいるのではありません。
全てのお子さんに、その子が果たすべき使命の天性が備わっています。

 

 

 

人間は大人になっても、
生きている限り大小様々な、好奇心による挑戦を繰り返します。
これを成長と呼び、成長は失敗と挫折がセットです。

 

人は、自分が好きな事で苦労して努力した末に手に入れたものを、
喜びに感じ大切にするからです。
他の人に言われて無理矢理やっている事や、
生まれつき楽をして出来ることを延々と繰り返していても、喜びにはならないものです。

 

一つできるようになれば、その先に挑戦しようと思うのが人間に本来備わっているエネルギーです。

 

けれど、感情によるバッドプレゼントをもらい続けていると、
失敗することが怖くなって、自信や挑戦する勇気を失い、
どうやって楽をするか?得をするか?ばかりを、求めるようになります。

 

自分の天性を育てていないのに、表面的な安定を求めても、
幸福感を感じないしプライドは生まれません。

 

【バッドプレゼントの中身】

 

子どもが悲しかったり、つらくて泣いてしまったり、
無表情になって、心がフリーズするような、
感情に任せた怒りを浴びせることは、子どもの将来にはマイナスになります。

 

①怒りに任せて子どもを叱ったり、叩いたり、辱める行為。
②大人の言うことの方が正しいと、知識や情報により追い詰める行為
③社会とは世の中とは常識とはこういうものだと、枠にはめる行為
④お前のためを思ってとか好きだからと、恩や情で言うことを聞かせる行為

 

この4つを繰り返すと、
子どもは短所を強化して、天性の才能を枯らしてしまいます。

 

これらを表にすると以下のようになります。

 

*普段どんな言葉でお子さんを叱っているか、
46項目の当てはまる言葉に赤丸をつけてみましょう。

 

また、あなたは子どもの頃に、周囲の大人(親や先生など)から、
どの種類のバッドプレゼントをもらって育ったか?
自分がもらったプレゼントには青丸をつけてみましょう。

 

『感情による怒り・攻撃』

 *イメージは動・エレメントは

理屈はともかく、子どもの言動にイライラし、腹が立つから感情をぶつける

 

(あ)叱る「もっと注意しなさい」「それは駄目でしょう」

(い) 怒る「こら」「ふざけるな」「いい加減にして」「何度言えばわかるんだ?」「やめなさい!」「下手くそ」

(う) 怒鳴る「馬鹿か!お前は」「おい!何をやっているんだ」「こっちにこい!」「ちゃんと謝れ馬鹿野郎」

(え) 暴言・恫喝「殺すぞ」「死ね」「捨ててくるよ」「生まれて来なければ良かった」「生きている価値がない」

(お) 無視「返事をしない、反応をしない、話しかけられても無言で睨む、手や顔の動きで指図をする」

(か) 大きな音を出して怯えさせる「何かを叩いたり、鳴らしたり、強く閉めたり」

(き) 暴力「叩いたり、蹴ったり、つねったり、髪の毛をつかんだり、どこかを強く押さえつけたり」

(く) 虐待「謝っても許さない。理由は関係なく、気がすむまで身体的にも精神的にも虐め続ける」

(け) 馬鹿にする・人格否定「だからお前は駄目だ」「本当に頑固で神経質でイヤな子」「嫌いだよ」

(こ) 自信喪失「そんなことだから何やっても続かないんだ」「結局何をやってもモノにならないでしょ」

(さ) からかう「ほらほら」「覚える頭がないんだろ?」「またやると思った」

(し) 責める「またできなかったの」「あんたのせいで不幸になった」「どれだけ迷惑かければ気がすむんだ」

(す) 支配「さっさとやれ」「今すぐだ、言うことを聞け」「言う通りにしていれば良いのよ」

(せ) 挑発「なんだその顔は。気に入らないならかかってこい」「意気地なしが」「死ぬ気でやってみせろ」

(そ) 決めつけ「どうせお前がやったんだろう」「そんな言い訳を言っても信用しないぞ」「お前が悪い」

 

『社会の枠にはめる強制と矯正』

 *イメージは制・エレメントは

常識とはこういうもので、人とは社会とはこういうものだから、そぐわない行為は制御し罰する

 

(た) 罰「いうことを聞かないと食事抜き」「遊びに連れて行かない」「約束を破ったから買ってあげない」

(ち) ペナルティ「テストの点が落ちたら、ゲームはやらせない」「守れなかったらお小遣いを減らすよ」

(つ) 繰り返し「どうして何度言ってもわからないの、できないの」「いつまで同じことを言わせるの」

(て) 強制「これはこうで、これはこうなっているの。だからこうしなきゃいけないの。そうするものなの。」

(と) 矯正「その悪い癖は直さなくてはいけない」「人として間違っているから今度からこうしようね」

(な) 要求「あなたは立派な人間にならなくちゃいけない」「世の中では必要なことだからこうしなさい」

(に) 頑張らせる「世の中ってそんな楽なところじゃないのよ」「頑張らなきゃダメなの」「努力しなさい」

(ぬ) やる気のなさを責める「いつになったら本気になるの」「いつまでゴロゴロしているの」「本当にダメね」

(ね) だらしなさを咎める「どうして普通にやることをやれないの?」「誰でもやっていることなのに」

(の) はみ出すことを許さない「あなたみたいな子は社会じゃ通用しない」「そんなことをして何になるの」

  

『知識や情報による追い詰め』

 *イメージは迷・エレメントは

大人の理想に合う色々な情報や知識を与えて、子どもの自分軸をぶらし、人生を迷わせる 

 

(は) 比較「あの子はこんなに出来るのにあなたはどうして」「同じ年の子はみんな知っていることなのに」

(ひ) 知識獲得の強制「どうしてそんなこともできないの?出来るようになるまでやりましょう」

(ふ) 差別「あなたは〇〇だからそれはしてはいけない」「まだ無理」「お前はやらなくていい」

(へ) 嫌味「そんなことも知らないの?」「わからないの?」「そんなふうだからダメなのよ」

(ほ) 不安「今こうしないと全て失敗する」「失敗は許されない」「できるはずがないでしょう?」

(ま) 焦り「今頑張らなかったらいつ頑張るの?今しかないんだよ」「失敗したら戻れないんだよ」

(み) 否定「あなたは兄弟と比べてもわがままなのよ」「何も知らないくせに」「そんな能力ないでしょ」

(む) 落胆「そんなことする子じゃないと思っていたのにがっかりした」「あーあ、やっちゃった」 

(め) 性格攻撃「お前みたいに気味の悪い子は私の子じゃない」「どうしてそんな嫌な性格なの?」

(も) 誘導「こんな利点もこんな得もあるから、絶対こっちの選択が良いに決まっているよ」

「言うことを聞いておけば、恥ずかしい思いをしなくて済むよ」

 

『恩と情による交渉』

 *イメージは恩・エレメントは

子どもの良心を利用して、親の都合の良いように、子どもの人生を誘導する

 

(や) 過保護「一人じゃ何もできないのね」「本当にダメね」「お母さんがやってあげる」

(ゆ) 過干渉「どうしてそうなの?なぜそんなことするの?」「全部きちんと報告してね」

(よ) 物で釣る「言う通りにできたらご褒美にゲーム買ってあげるね」「百点取れたらお小遣いあげるよ」

(ら) 価値観をすり替える「あなたの言う通りうまく言ったら苦労しないわ」

(り) 押し付け「絶対にこっちの方が良いに決まっている」「こっちの方がおまえのためになる」

(る) 恩着せ「あなたのために苦労している」「自分を犠牲にしている」「具合が悪いのにあなたのために」

(れ) 操縦「私の言う通りにしていれば間違いないからね」「あなたよりあなたのことを分かっているから」

(ろ) 説得「これだけたくさんこちらの方が良いと言う理由を挙げているのだから納得してね」

(わ) おだて「あなたは良い子だから親の言うことも素直に聞けて偉いね」「さすが私の子どもだわ」

(を) 経済的泣き落とし「うちにはお金がないから諦めて」「国公立じゃないと進学させられない」

(ん) 将来を決める「こんなによくしてあげたんだから、年を取ったら面倒みてね」「近くに住んでね」

 

 

さて。お子さんに対しては、どうでしたか?
無意識に言っていることもあるので、お子さんに確認してみても良いかも知れません。

 

あなたご自身が言われたことは、いくつ丸がついたでしょうか?
多く丸がつく人ほど、自己肯定感が低く、自分のことが嫌いで、
精神的に不安定だったり、ご自身の人生や言動に自信がなかったりすると思います。

 

そして、受けた傷が多くて、その傷が癒されていない場合は、
自分が指導や支配をする立場になった時に、子どもやお年寄り、部下や生徒などの、
立場の弱い者に対して同じプレゼントを贈ってしまいがちなのです。

 

46項目のバッドプレゼントのうち、どれも贈られたことが無いという人は、
精神的に安定していて自信があり、自己肯定感が高く、自分のことを好きでいられる人が多いのではないでしょうか?

 

 

【メソッドを裏付ける偉人・賢人・有名人の言葉(ツイッターより)】

 

「叱ることは、悪い習慣を身につけさせる、
最高のトレーニングなのだ!」(アルフレッド・アドラー)

 

「若い時は、ダメな性質が極端にでがちなものだから、特に注意せねばならない。」
「子ども達の根拠のない自信を育てよ。」(茂木 健一郎)

 

「私たち成人の仕事は、物を教え込む事ではなく、
発達作業中の子どもの心に対して手助けをしてやることです。」(マリア・モンテッソーリ)

 

「全ての才能の種って、その人が生きてきて8万回言われても治らなく、
直せなかった部分だと思っています。」(しいたけ占いのしいたけ)

 

「本当は、批判的な姿勢から子どもたちは何も学びとらない。世界の知識も技も尺度も得ることがない。
その逆で、子どもたちがそれらを得ることが妨げられる。
そして、本当に身につけることがなにもないため、
子どもはいつか、一種魂の栄養不良に苦しむことになる。」(ミヒャエル・エンデ)

 

 

【叱ることはお子さんの短所を強化し、未来を迷わせることになる】

 

これらの偉人・賢人の言葉を聞いてみなさんはどう思いましたか?
「え?そうなの??
叱るのは良い習慣を身につけさせるトレーニングでしょ?」とか、
「え?そうなの??ダメな所は直してあげるのが親の役目でしょ?
自信を持たせたいなら悪いところは直さなくちゃ!」と、思いませんでしたか?

 

まず叱ること、矯正すること、脅かすこと、辱めること、恩や情を得ることなどは、
余計に短所を強化して、お子さんの未来に混乱をきたすものという意識を持って見てください。
火地風水の表を印刷して、リビングの目立つところに貼っておき、
親子ゲンカや家族の諍いが起きた時に、

自分の発言が、この表のどれに当たるのかを検証してみましょう。

 

 

 

アトリエを主宰する24年間に生徒さんの成長を見させて頂いた経験からも、娘を育てた母親としても、
子どもたちの伸ばすべき才能って、叱られることが多くなりがちな短所を、
ひっくり返した所が伸びていくのだなという実感があります。

 

特に茂木先生の「根拠のない自信を育てよ」という言葉に引っ掛かりを覚え、
根拠のない自信を育てるということは、「今すぐに、形にならなくて良い。」
「子どもの可能性を信じて資質を育てよ。」という意味かな?と思い、
指導にあたるというよりは、
「失ったら悲しい親友のような人間関係を作りたい」という立場に立って、
親子さんそれぞれの個性を大切にしてきました。

 

良いところや成長したところを見つけては褒めることによって、
誰にでも当てはまるグッドプレゼントやバッドプレゼントのパターンを発見し、メソッドが作られていったのです。

 

ついお子さんの駄目なところを見つけて叱ってしまうという親御さんは、
怒りの感情を発動しないという練習を、試しにして見てください。

次回は、怒りの感情の代わりに贈ると才能が花開く、グッドプレゼントの詳細をお話いたします。

 

 

【次回は、気になるグッドプレゼントの中身についてです。】

 

第17回「フェアリーゴッドマザー 愛のメソッド 15色の魔法」
才能の芽を伸ばす鍵になる、グッドプレゼントとバッドプレゼント その1
〜叱らないで!その短所、お子さんの才能です〜を、
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このコラムでは叱らなければいけないと思っている短所の多くが、
どんな才能に成長するかをお話させていただきます。
次回は、「グッドプレゼントの詳細」についてです。

 

ついついイラついたりムカついたりして怒ってしまうような、
お子さんの問題行動や直らない癖。
そんな短所に困っているお母様は、
「これってどんな才能なの?」と、質問してくださると嬉しいです。
出来るだけ状況を詳しくお書きくださいね。

作者:小鳥遊 樹さん

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本記事は個人的体験談などに基づいて作成されており、脚色なども加えられている場合もあり、必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。この記事の情報を用いて行動される場合、ご自身の責任と判断により対応いただけますようお願い致します。尚、記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。

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